前売り券が24万枚(東宝の実写映画史上最高枚数)売れたとか、武道館の試写会には25万通の応募があったなど、公開前から数字に裏付けられた数々のエピソードがあった『花より男子ファイナル』の勢いは、予測を遙かに超えていた。6月28日の公開初日、そして翌29日と2日間の成績は、動員80万5350人、興収10億579万8910円。何と2日間で400スクリーンから10億円を売り上げた。
(以下引用)
先月21日公開の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が、公開日と翌日の土日2日間で興収8億642万7400円だから、『花男』はこれの125%の出足ということになる。しかも、スクリーン数は『インディ・ジョーンズ』の789に対し、『花男』は400。つまり『インディ』の半分程度のスクリーン数で、『インディ』の125%の成績を叩き出しており、今年公開された作品の中では一番のオープニング記録。
この『花男』の興行を予測する上で、比較対象としてもっとも適当なのは、TVドラマで高視聴率をマークしていた点、TV局が幹事となり東宝が配給を行ったという点から、昨年9月の『HERO』(フジテレビ他)になるだろう。こちらは公開2日間で動員74万9807人、興収10億947万3875円というオープニング成績を記録しており、『花男』の成績とかなり符合する。『HERO』は最終的に81.5億円稼いでいるため、『花男』もこれに近い成績、即ち興収80億円あたりが見込まれるわけだ。無論『インディ・ジョーンズ』を蹴散らして、夏休みの2番手となる公算も非常に高い(先週の『インディ』=銀メダル予測は早くも撤回)。
結局のところ『花男』の大ヒットは、今日、映画のヒット作はTV局が作っているという事実をまたしても裏付ける出来事となった。『花男』にしても『HERO』にしても、視聴率20%以上をコンスタントにマークしていた人気ドラマ。TVの視聴率1%は100万人と言われているから、毎週2000万人以上が番組を見ていたことになる。仮に、そのうちのおよそ4人に1人、500万人が映画版を見るとするなら、500万人×1500円(入場料)=75億円の興行収入が上げられるという見積となる。もちろん、こうした単純な数字のシミュレーションだけですべては語れないが、少なくとも、人気ドラマを映画化した場合の興行のポテンシャルは見えてくる。
(引用元:サイゾー)