ジャニーズ頼りのスポーツ中継はいらない

バレーボールW杯'07女子・日本VSポーランド。
平均視聴率は20.9%。Hey! Say! JUMPが披露した
「ジャンピントゥマイドリーム パラッパッパーラ♪」という能天気なフレーズを記憶している方も多いはず。

 同大会は、95年のV6以来、4年ごとの開催のたびにジャニーズ新グループのデビューの場となっているが、
そもそも、なぜジャニーズとバレーボールという組み合わせなのだろうか。

「人気が低迷していたバレーボール協会に、『ジャニーズを使わないか?』と電通側から持ちかけたのが発端のよう。
その仕掛けに、同協会とフジテレビが乗ったという格好。ジャニーズファンが会場に押し寄せて観客動員数が爆発的に増え、視聴率も上がった。まさに“奥の手”という感じでしたね」(広告代理店関係者)

 当初、ジャニーズ、フジ、電通が一体となった同大会は、他のスポーツ関係者からは奇異に見えたという。

「サッカーや野球関係者は失笑していましたよ。『スポーツの現場にタレントなんか招き入れて(笑)』
という雰囲気がありました」(スポーツ紙記者)

しかし時は過ぎ、香取慎吾はサッカー日本代表の応援団長、
中居正広は野球五輪代表をサポート。フィギュアスケート中継には国分太一。
かつての“失笑”はどこへやら、ジャニーズはスポーツ界全体にますます侵食している。

「スポーツビジネスの巨大化とともに、テレビ局、広告代理店の影響力が強くなったことが一番の要因ですね。人気のあるタレントを使って視聴率を稼げば、スポンサーからの広告収入も当然大きくなる。
代理店も、サッカーの場合、日本代表は電通、Jリーグは博報堂というすみ分けがあり、バレーボールでも同じように、フジテレビは電通、TBSは博報堂と分担されているみたいです【註:TBS放映のバレーボール世界選手権では、WaTとハロー!プロジェクトがサポーター】。ジャニーズが登場する中継は、電通が絡んでいると思って、ほぼ間違いありません」(前出・広告代理店関係者)

スポーツ中継は、テレビ局・広告代理店が各競技団体から放映権を購入し、その放映権料を上回る広告収入を得ることで儲けを出すシステムとなっている。
そこで、その目的を達成するための起爆剤として、“ジャニタレ起用”が多用される。
ジャニタレを使うと、同時にCMスポンサーも引き連れてくる場合もあり、一石二鳥とも。

それにしても、これほどジャニーズがスポーツ中継を占拠してしまうと、
純粋にスポーツ観戦したい人にとっては、迷惑以外の何者でもない。


「各競技団体やテレビ局からすれば、人気のあるジャニーズのタレントを使えるなら、それに越したことはない。ジャニーズ側も、プロモーションの場として使っている。持ちつ持たれつですよ」(テレビ局関係者)

このままスポーツ中継へのジャニーズ汚染が加速すると、コンサートの合間にスポーツの試合が行われるなんてことにもなりかねない?