ジャニーズ出演ドラマ、2010年の視聴率番付

今年度のジャニタレ出演ドラマの平均視聴率ランキング。
(以下引用)
木村拓哉主演の月9を押さえて堂々1位に輝いたのは、嵐・二宮和也主演の『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系、火曜21時~)だった。
引きこもりのダメ人間が、母の病気や家族の危機に直面し、家を買うことを目標に再出発する......という社会派ホームドラマ。華やかな恋愛模様や派手なシーンはないものの、二宮をはじめ浅野温子、竹中直人、香里奈、坂口良子など実力派俳優を配したことで「現代の複雑な家庭像」をリアルに表現することに成功。初回視聴率17.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)に対し、最終話が最高視聴率19.2%を記録したことからも、回を追うごとに評判が高まっていったのが見て取れる。初回視聴率から右肩下がりになるドラマが多いなかで、良作が生んだ快挙といえるだろう。共演者の中では、関ジャニ∞丸山隆平がキャラを活かしていい演技を見せた一方で、隣人の弁護士役でドラマに初チャレンジしたKis-My-Ft2横尾渉は「棒読み演技」が話題を呼び、「あんな下手な役者がいるのか?」と逆ベクトルで世間の関心を集めるという(既報)結果に。これもジャニお得意の「セット売り」ならではの弊害か? 次のチャンスに向けてもう少し演技力を磨いて欲しいものだ。

 続く2位にはキムタク主演の『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ系、月曜21時~)がランクイン。2010年の月9は、4本中3本がジャニタレ主演という驚きの状況でもあり、その中でギリギリトップに立って「月9バカ」(by有吉弘行)の面目を守った形だ。しかし、過去の木村自身の記録の中で平均16%台は最も低い数字。初回22.4%という高視聴率を得たにも関わらず、翌週から右肩下がりしてしまったということは「期待はしたけど、見続けたい作品じゃなかった」という視聴者の正直な気持ちの表れか。木村にとって10年ぶりの本格ラブストーリーで、しかも篠原涼子、リン・チーリン、北川景子ら美女勢を揃えたうえで上海ロケを敢行するなど、予算もかけた同作だったが、やはり38歳に胸キュンのラブストーリーは厳しかったよう。これを最後に「キムタク神話」は崩壊するのか、はたまた今回限りの失敗で終わるのか......? 次作でその真価が問われそうだ。

 3位は、木村ドラマにわずか0.2%差まで迫った山下智久主演『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-2nd season』(フジテレビ系、月曜21時~)。08年に木曜劇場枠で放送された「1st season」がそこそこの数字を得たことで、ある程度の安定感と期待を含めて月9に引っ張り上げたが、他枠で放送されたドラマの続編を月9で放送したのは今作が初の試み。前々クールで14.4%を記録した『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(フジテレビ系、月曜21時~)と比較すればまずまずの成績だが、山下の連ドラ主演も実に5作目。「15%そこそこの数字が取れる主役」から脱皮し、キムタクからバトンを受け取りジャニーズドラマ界を牽引する存在へ成長してくれることを祈りたい。

 4 位、5位の『ジョーカー 許されざる捜査官』(フジテレビ系)、『流れ星』(フジテレビ系、月曜21時~)は、ジャニタレが主演ではないものの、重要な脇役として活躍した作品。プライベートが垣間見えるような錦戸の「チャラい」男の演技と、映画『十三人の刺客』で花開いた"悪人キャラ"という新境地を活かして徹底的な「ダメ兄貴」を見事に演じきった稲垣。どちらも印象に残る役柄であり、視聴率に大きく貢献したといえそうだ。また「30歳目前で短パンにタイツであの扮装は罰ゲーム」「絶対ナシでしょ」と、放送前は期待されていなかったにも関わらず、6位につけたのが大野智主演『怪物くん』(日本テレビ系)。お供の3人の人選の秀逸さもさることながら、大野の安定感のある表現力、単純明快で道徳的なストーリーが子どもを持つ親からも支持を受け、映画化の噂まで浮上したほど。ドラマ化にあたり、原作者の藤子不二雄A氏は当初「人気絶頂のアイドルが怪物くんを演じるなんてどう考えてもイメージが結びつかない」と心配していたが、放送がスタートするやいなや「大野クンが自分の怪物くんを作りあげてくれた!」「テレビにへばりついて見てます」と大絶賛。改めて、俳優・大野の力量が感じられた作品だった。

 逆に、期待されていたにも関わらずどうにも結果が出せなかったのが松潤主演の『夏の恋は虹色に輝く』(フジテレビ系、月曜21時~)。母性本能をくすぐるタイプの松潤が、訳ありの年上女性と恋愛するという発想は決して悪くなかったはずだが、ドラマスタート直後から「(相手役の)竹内結子と松潤が姉弟にしか見えない」「感情移入できない」との声が続出。初回の 15.7%を頭に徐々に視聴率は下がり、最終的に月9史上(88年以降)、中居正広主演の『婚カツ!』に続く2番目に低い平均視聴率を更新してしまった。嵐メンバー初の月9進出だっただけに残念でならない。

 以降は10%以下の数字が続くのだが、テロップフォロー(バラエティやアニメなどでオチを強調する手法)やテレドーム、視聴者参加など、ドラマとして新たな試みをした10位の『特上カバチ!!』(TBS系)や、人気ドラマを原作にジャニーズから3人のイケメンが勢揃いした11位『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)、宮藤官九郎が7年掛けて構想したという13位『うぬぼれ刑事』(TBS系)など、なにかと話題を呼んだドラマがパッとしないまま終わってしまったのも不思議なところ。また、14位のNEWS加藤成亮主演『トラブルマン』(テレビ東京系)も、映画『蟹工船』のSABU監督が原案・脚本から担当することが大きく報じられていたのだが、フタを開ければ平均視聴率2.03%、最低視聴率は1.2%(第10話)というかなりイタい結果に終わってしまった。深夜枠だからとはいえ、記念すべき初主演作でこの低視聴率。加藤にとってトラウマにならぬことを祈るのみだ。

 2011 年1月期は、人気マンガを原作にしたドラマ『バーテンダー』(テレビ朝日系、金曜夜11時~)に相葉雅紀が主演するほか、『ごくせん』スタッフが送る注目の学園ドラマ『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系、水曜夜10時~)にKis-My-Ft2の藤ケ谷太輔、北山宏光が学生役で出演。その他、多部未華子主演の『デカワンコ』(日本テレビ系、土曜 夜9時~)に同僚刑事役で手越祐也、松下奈緒主演の刑事ドラマ『CONTROL犯罪心理捜査』(フジテレビ系、火曜夜9時~)に、やはり同僚刑事役で横山裕、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系、月曜夜9時~)にはジャニーズJr.中島健人の出演が決定している。2011年はどんな話題作が飛び出し、私たちを楽しませてくれるのだろうか。

■2010年 ジャニタレ出演ドラマの平均視聴率ランキング
1位『フリーター、家を買う。』(フジ)17.1% 二宮和也、丸山隆平、横尾渉
2位『月の恋人~Moon Lovers~』(フジ)16.8% 木村拓哉
3位『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-2nd season』(フジ)16.6% 山下智久
4位『ジョーカー 許されざる捜査官』(フジ) 14.2% 錦戸亮
5位『流れ星』(フジ)14.1% 稲垣吾郎、桐山照史
6位『怪物くん』(日テレ)13.9% 大野智、松岡昌宏
7位『夏の恋は虹色に輝く』(フジ)12.3% 松本潤
8位『泣かないと決めた日』(フジ)11.4% 長谷川純
9位『GM~踊れドクター』(TBS)10.0% 東山紀之 大倉忠義
10位『特上カバチ!!』(TBS)9.3% 櫻井翔
11位『ヤマトナデシコ七変化』(TBS)8.3% 亀梨和也、手越祐也、内博貴
11位『左目探偵EYE』(日テレ)8.3% 山田涼介、横山裕
13位『うぬぼれ刑事』(TBS)8.1% 長瀬智也主演、生田斗真
14位『トラブルマン』(テレ東)2.03% 加藤成亮主演
※視聴率はすべて関東地区・ビデオリサーチ調べ
※1話限りのゲスト出演や端役での出演、『新・警視庁捜査一課9係』『渡る世間は鬼ばかり』などシリーズもののドラマは除く
(引用元:インフォシーク)