番組キャスターにジャニーズ続々

テレビ報道情報系の番組キャスターに、若い人気タレントが起用されるケースが増えている。
特にジャニーズの進出が著しい。

(以下引用)
 先月29日にスタートした「あさイチ」(月~金曜午前8時15分)で、NHKの新たな「朝の顔」になったのが、人気グループ「V6」の井ノ原快彦(33)。番組開始前の記者会見で「プレッシャーは感じるけど楽しみ」と意気込みを語った。1966年から続くNHKの朝の情報番組で、芸能人のキャスターは初めてだ。

 政治・経済から生活情報、エンターテインメントなど幅広い話題を日替わりで取り上げる番組。井上勝チーフプロデューサー(CP)は、「これまでNHKの朝の番組は、主に60代以上が安心できる生活情報を、制作者主体で一方的に流していた。将来的に視聴者の世代を広げたい意図もあり、30代で家庭も持って地に足が着き、生活を大事にしている井ノ原さんが適任と考えた」と話す。

 一方、民放ではここ3、4年でタレントキャスターが急増している。特に日本テレビは、「スッキリ!!」(月~金曜午前8時)の加藤浩次(40)など多彩な芸能人の起用で他局に先行する。

 中でも目立っているのが、報道番組「NEWS ZERO」(月~木曜午後10時54分、金曜午後11時58分)。2006年の開始当初から出演する人気グループ「嵐」の桜井翔(28)は、東京大空襲の特集など現場取材にも積極的で、「取材の打ち合わせが深夜2時から始まることもある」(伊佐治健CP)という。今月からは結婚で降板した小林麻央(27)に代わり、人気バイオリニスト宮本笑里(26)も加入した。

 同局では、先月29日に始まった「news every.」(月~木曜午後4時53分、金曜午後5時)でも、桜井と同じジャニーズ事務所の人気グループ「NEWS」の小山慶一郎(25)が、初のキャスターに挑んでいる。

 両番組の企画に携わった山田克也CPは「小山さんは手話や韓国文化に詳しい点から起用した。地味になりがちなニュースでも、人気タレントが伝えることで、若者も同じ目線で見てくれる」と話している。

亀梨和也も挑戦 「プロ野球楽しみ」
 日本テレビ系「Going! Sports&News」(3日から、土、日曜午後11時55分)で、日曜日に「ベースボールスペシャルキャスター」を務めるKAT―TUNの亀梨和也(24)に、東京ドームで心境を聞いた。

Q:キャスター挑戦の動機は?

A:「今までと全く路線が違う仕事なので、正直不安はあった。でも中学1年生まで野球をやって(シニアリーグ時代に世界大会出場)、野球好きなので、ぜひやってみたかった」

Q:ふだんと違う点は?

A:「自分の中のスイッチが家を出る瞬間から違って、素に近い気持ち。今までのイメージはあるだろうが、視聴者に伝える仕事なので、かっこつけても仕方がないと思う」

Q:楽しみや課題は?

A:「あこがれの選手や監督と仕事ができて、物事を深く知ることもできるのは楽しみ。自分を見せるのではなく、目や体を通じて伝えるという、全く違う感覚で自分に向き合っている。忙しかったので最近のプロ野球を勉強したいし、選手や監督には失礼のないように接したい」



視聴者の代弁者

放送事情に詳しい上智大の碓井広義教授(メディア論)に、芸能人のキャスター起用について見解を聞いた。

 報道番組はテレビの公共性を担保する。そのため、以前は視聴率に左右されなかったが、経済状況の悪化で、民放は売り上げ向上のため、報道番組の視聴率も無視できなくなっている。NHKもここ数年、「見てもらってこそ」の姿勢が前面に出ており、番組の“民放化”が進んでいる。

テレビ局にとって報道・情報系番組は「速さ、正確さ」が第一だが、最近は次に「わかりやすさ」。

 「ZERO」の桜井翔が、硬い報道分野の視聴者層の幅を広げ、垣根を下げた意味合いは大きい。「客寄せ」との見方もあろうが、それ自体は悪いことではない。ある意味、タレントキャスターは、一緒に泣いたり笑ったりする視聴者の“代弁者”であり、加えて華やかな点に役割がある。

 報道・情報番組は、限られた時間内に多くの情報から何を選び、どう料理するかが肝心。芸能人のキャスター起用は有効な面もあるが、身を削って取材する報道マン努力が、彼らの話でどれだけ裏付けられるかで、真価は問われる。
(引用元:読売新聞
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