人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」が実写映画として製作され、木村拓哉(36)が主人公古代進を演じることが2日、発表された。ヒロインに沢尻エリカ(23)が内定していたが、所属事務所の契約解除問題で白紙になる波乱もあったが、逆境こそヤマトの出番。森雪役に黒木メイサ(21)を迎え、製作費20億円以上の壮大なスケールで出航する。題名は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(山崎貴監督)。東宝系で来年12月公開。
「ヤマト」が初めて実写化される。物語は74年に放送開始したアニメシリーズ全26話がベース。放射能に汚染された地球を救おうとイスカンダル星へ旅立つ宇宙戦艦ヤマトの旅を描く。
古代進はアニメでは18歳。山崎監督は「きつい戦いが続くヤマトで木村くんなら何とかしてくれるのでは、とリアリティーを持って説得力がある。設定的にも人気、実力を持つ人物として、彼以外にいない」と実写版のリーダーとしても期待を寄せる。沖田艦長を山崎努が演じるほか、西田敏行、堤真一ら主演級俳優が顔をそろえる。
キャスティングは最後まで難航した。森雪には沢尻が内定していたが、一転して白紙状態になったのは撮影開始の1カ月前だった。製作側によると、9月中旬に沢尻の所属事務所から「契約解除の方向で話し合いを始めた」と報告があったため、急きょ配役を見直し、黒木の起用が決定した。
製作側が沢尻と具体的な交渉に入ったのは7月で、ヒロインに内定したのは9月上旬。顔合わせも1度行っていたという。山崎監督は「キャストは流動するもので、最後に決まった人が選ばれた人。イメージとしてはそんなにぶれていない」と波乱の船出も“想定内”とした。
黒木演じる森雪はアニメと違い、戦いにも積極的に参加する。山崎監督は「21世紀版ヤマトでは、女性も滅びかけている地球を救うために戦います」と説明。アニメでは男性だった役を一部女性に設定変更。高島礼子、マイコを起用した。
撮影は12日に開始し、年内に撮了予定。壮大な宇宙を描くために、CGが8割とふんだんに使われる。山崎監督はVFX(視覚効果)の使い手。「ALWAYS 三丁目の夕日」で昭和30年代の東京の街並みを復活させた手腕を振るい、来年9月まで長期間にわたって編集作業を行う予定。
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