ジャニーズ乱立の秋ドラマ

テレビ誌が「秋のジャニーズ祭」など特集を組むぐらい、今クールのドラマはジャニーズアイドル尽くし。
(以下引用)
 その筆頭である木村拓哉(40)主演の「安堂ロイド」(日曜21時~、TBS)は、ハナっからTBSの商魂が丸出し。突然、何の脈絡もなく、天才物理学者に扮するキムタクが粒あん入りのきなこあげパンを好物だと猛プッシュ。放送ライターの堀江南氏は、「山崎製パンとコラボして売り出すパン、いわゆる番組関連グッズのPRを劇中であけすけにやるのはいかがなものか。前クールの『半沢直樹』グッズで味をしめたのは分かりますけどね」とチクリ。

 ジャニーズのタレントが主役を張る作品は計8本。日本テレビ、フジテレビ、TBSと在京キー局のほとんどが起用する中、専門家が「今後に期待」と声を揃えるのが、長瀬智也(34)主演の「クロコーチ」(金曜22時~、TBS)だ。

 ドラマ批評家のこうたきてつや氏はこう言う。
「キャラクターの造形がどこか懐かしいドラマ。悪徳刑事に扮する長瀬の役どころは『タイガー&ドラゴン』(TBS)で演じたヤクザの虎児を思わせて、妙に憎めない。『ケイゾク』(同)の病んだ刑事(渡部篤郎)と、空気を読まないエリート刑事(中谷美紀)というチグハグなコンビ設定を意識したのか、クロコーチでは剛力彩芽扮する少女っぽい刑事が長瀬の相方になっている。渡部扮する県知事のスキャンダルや剛力の父親の死が、今後、3億円事件とどう絡んでいくのか。ミステリアスな展開を含んでいて、見続けたいと思わせた。『正解ッ!』の決めゼリフも笑えて耳に残るし、手堅い脇役陣を揃えた丁寧なつくり。『JIN―仁―』などを手がけた石丸彰彦プロデューサーのぶれない一本筋の通ったドラマづくりが表れていた」

 コラムニストの桧山珠美氏の見立てはこうだ。
「3億円事件の謎解きも兼ねた“歯応え”のあるドラマ。ですが、出演ドラマがことごとく惨敗という“視聴率クラッシャー”の剛力彩芽に相方が務まるのかどうか。東大法学部卒のキャリアという設定ですが、全くそう見えないのが最大の難点。果たして、ゴルゴ13を思わせる劇画タッチの演技で挑む長瀬とかみ合うのか。波乱含みですが、行く末を見守りたい」

 ジャニース勢が乱立するクールだけに、こんな割り切った見方も可能だ。
「ジャニーズのタレントは主役ではなく、3番手あたりで起用するのが得策。本人は経験を積めるし、局側もファンの視聴も見込めていいこと尽くし。ハイテンションな玉置浩二を相手に『東京バンドワゴン』(土曜21時~、日テレ)で主演を担うKAT―TUNの亀梨和也(27)と、堺雅人主演の『リーガルハイ』(水曜22時~、フジ)で端役をのびのびと演じる同グループの田口淳之介(27)。対比して見るのも一興です」(引用元:日刊ゲンダイ)